エスノグラフィーとは
エスノグラフィーとは、生活者に密着し、訪問観察・動画撮影などで生活者の意見や行動の背景にある事象を見つけるリサーチ手法です。エスノグラフィーは、アンケートやインタビューなど生活者の「意見」を中心にしたリサーチではなく、生活者の生活シーン(生活環境、意識、行動)を複合的に「観察」することで、潜在的なニーズを探し出すことを目的としています。
商品やサービスの評価を行うことよりも、新しい切り口を探し出すことをテーマとしたケースに有効なリサーチ手法です。例えば、商品企画、ペルソナづくり、CX(カスタマー・エクスペリエンス)戦略立案の際に有効な手法です。
進め方
エスノグラフィーの進め方はプロジェクトによって様々ですが、基本的には 1.調査設計、2.調査準備、3.フィールドワーク、4.ワークショップ、5.分析・とりまとめの5つのステップから進められます。
- 調査設計では、クライアント企業とのミーティングによって調査目的・課題の共有を行い、対象者の条件設定と同時に、エスノグラフィー調査のフレームを設計します。エスノグラフィー調査のフレームは、事前アンケート、訪問観察とヒアリング、ショッピングへの同行、動画や写真撮影、デプスインタビューなどを複合的に組合せてとりまとめます。
- 調査準備は、調査対象者のリクルートと、エスノグラフィー調査のスケジュール調整などの準備・手配が主な作業です。エスノグラフィー調査の対象者は8~10名程度が一般的です。
- フィールドワークでは、調査対象者とリスキーブランドの調査担当者との一定の信頼関係を作り、対象者が飾ることなく、日ごろの生活を一定期間の中で行っていただきます。
- ワークショップは、結論ありきではなく、調査対象者の生活背景や場面、行動とその前後の動機やその後のアクションなどをクライアント企業と共有し、切り口を見つけます。ワークショップで出てきた仮説とフィールドワークによる検証工程を連動させる調査フレームを設計することも重要です。
- 分析・とりまとめでは、対象者の生活背景・価値観・行動を一連の線で紐づけることで、新しい切り口を提案いたします。
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