MindVoice® 2010~2016(株式会社リスキーブランド実施の生活意識調査)
“ゆとり世代”は世間のイメージに反し、「戦略的人付き合いに長けている!」
過去の同年代に比べて「場をなごませるのが得意」と意識している割合が5ポイントもアップ
ブランドコンサルティング会社の株式会社リスキーブランド(本社:東京都渋谷区、代表:田崎 和照)は、同社が2008年から実施している生活意識調査MindVoice®(約4,000サンプル/年)を用いて行なった「ゆとり世代は世間のイメージのように本当にダメな世代なのか!?」の調査について報告いたします。
調査では、「ゆとり世代」を2016年時点で23~29歳(1987~1993年生まれ)の層と定義しています。この「ゆとり世代」と、8年前、2008年時点での同年代(23~29歳)の層との比較を行うことで、「ゆとり世代」の価値観を分析しました。
分析1:ゆとり世代は戦略的人付き合いに長けている!
分析2:会社では空気を読みながらカメレオンの様に立ち振る舞いを使い分ける!
分析3:あらゆる情報・モノから自分に必要なものを見分ける鋭い選択眼を持っている!
「自分にどれだけメリットがあるのかを測って世を渡っていくのが得意なゆとり世代」
分析1.ゆとり世代は戦略的人付き合いに長けている!
「できることなら、他人とかかわり合いをもたないで過ごしたい」という意識は、8年前の同年代と比べると15ポイントも増加(チャート1参照)しています。
一見、協調性のないワガママな一匹狼だと思われますが、他のデータを見てみると、別人のように人付き合いが上手がです。「緊張した場面でも、ちょっとしたジョークを言ったりして、場を和ませるのが得意な方だ」という意識は、8年前の同年代と比べると5ポイントも増加(チャート1参照)しています。これは、日本人がこれまで苦手だと感じていたスキルです。「ゆとり世代」はいつだって自分を守るのは自分という「自己責任」の風潮のもとで育ってきました。有名大学に行ったからって就職できない、大企業だって当たり前のようにつぶれるのを見てきた彼らは、「自分のことは自分で守らなきゃ」という意識を無意識に身に付けました。だからリスクのある人付き合いは避け、自分を守るためには道化だって演じられるのだと推察されます。
分析2.会社では空気を読みながらカメレオンの様に立ち振る舞いを使い分ける!
仕事を持っているゆとり世代にフォーカスを当ててみると、「仕事での会話や会議では自分がリーダーシップをとる場合が多い」と答えた人が2008年と比較して7ポイント高く、一方で「他人のどのような意見にも、じっと耐え組織を守っている」と答えた人が9ポイント高くなっています(チャート2参照)。ダイバーシティが進む企業の中で、シーンによってカメレオンの様に自分の振る舞いを使い分ける「ゆとり世代」。世の中を渡っていくしたたかさで言えば、課長クラスのオジサン達よりスマートなのかも知れません。
分析3.あらゆる情報・モノから自分に必要なものを見分ける鋭い選択眼を持っている!
ここで定義している「ゆとり世代」に該当する23~29歳の可処分所得は低下傾向にあり、この世代では「1か月に自由に使えるお金が1万円に満たない」は8年前の同年代と比べると、7ポイントも増加しています(チャート3参照)。
一方で、「欲しいと思うものは、大体買える程度の経済力はある」という意識は、8年前の同年代と比べると増加ポイントは3ポイント(チャート3参照)に留まりますが、上の世代が軒並み減少していることを考えると際立って上昇していると見るべきでしょう。
自由に使えるお金は減っているが、欲しいと思うものは買える経済力があると考えるのが「ゆとり世代」。リサイクルやネット流通の後押しがあるにせよこれらを上手に使いこなすことで、自分の生活を自分たちの力で豊かなものにしていこうとするしたたかさを持っています。
世間では、野心なし・競争意識なしの「ゆとり世代」と言われていますが、信じられる価値基準がないのは当り前、自己責任という風潮の中で大人になった彼らは、見方を変えれば、経済が低迷し人口が縮小化に向かう時代を生きていく術を身に着けたたくましい世代。よく「ゆとり世代」を飲みに誘ったら断られた!なんて話を聞きますが、それは彼らがあなたと一緒に飲むメリットを感じていないからかもしれません。
■MindVoice®とは
MindVoice®は、ブランド戦略コンサルティングを行う株式会社リスキーブランドと、ネットリサーチの大手マイボイスコム株式会社との共同調査です。毎年約4,000サンプルの定量調査から得たデータベースをもとに、商品企画やコミュニケーションなど企業のマーケティング戦略を支援するプログラムです。
調査地域:全国
調査対象:15~64歳の日本人男女(世帯年収300万円以上)
調査手法:インターネット調査
調査時期:毎年5月
有効回答:約4,000サンプル/年